【俺ガイル完(3期)】第8話・感想と考察~”本物”だからこそ、離れていく~

2020年・夏アニメ

こんにちは、凸森です。

今週の俺ガイル、観ました。

ハッキリ言って、神回だったと思います…

感想・考察を書いていきます。

プロムへの当て馬企画は順調

当て馬としての体裁を取るために、八幡と由比ヶ浜たちは着々と準備を進めてました。

葉山、あーしさん&海老名さんにも協力してもらってました。

あーしさん&海老名さんの海での宣材写真撮影シーンは和気あいあいとしていてとてもいいシーンでした。

凸森
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ハッキリ言って、今回ほっこり見られたのここと材木座のSNSの投稿文がとてもまともだったシーンです。あとは終始胸が苦しい…

陽乃さんへの相談

当て馬企画の体裁が整ったところで、八幡と由比ヶ浜は陽乃さんに会います。

当て馬企画を作ったところで、雪乃ママに認知されないことには意味を成しません。

そこで、八幡は陽乃さんに当て馬企画を雪乃ママにリークしてもらう相談をしました。

ただ、ここで一言で「いいよー」と陽乃さんが言うはずがありません。

「なぜここまでするの?」について陽乃さんは八幡たちに問います。

また「見守ってあげるほうが、雪乃ちゃんのためなんじゃないかなー」とも言います。

凸森
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陽乃節、来てますね…

しかし、ここで意外にも由比ヶ浜が勇気を振り絞って反論をします。

由比ヶ浜「それ…違うと思います。見守るってなんか、いいことっぽいけど、それって結局離れてるだけだから…避けて、距離取って、そうやって何もしないでいたら、何も変わらないです。それで多分、そのままダメになって終わっちゃうんです…私たちも、プロムも…だから少しでも近くにいて、関わってないといけないんです…!!」
この言葉、陽乃さんは涼しい顔をして聞いていますが、内心は穏やかではないと思います。
なぜなら、これは今まで自分が雪乃への接し方について真っ向から否定されたからです。
これで終わったら、陽乃さんは彼・彼女たちに協力しなかったでしょう。
しかし由比ヶ浜は、最後にこう付け加えます。
由比ヶ浜「それがちゃんと終わらせるために必要なことだから…だから…」
この言葉を聞いて、陽乃さんは多分「この子、一応はちゃんとわかってるのね」と思わせたと思います。
陽乃さんは、確認のため、追加で意地悪質問をします。
陽乃「それがどんな終わりでもいいの?雪乃ちゃんや誰も望まない終わりでも」
それに対して、八幡はノータイムで「それでいい」と言います。
陽乃さんはその開き直りに若干呆れつつも、「どうしてそこまでするの?」と問います。
八幡「奉仕精神ですかね。助け合いの心ですよ」
凸森
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IQバリ高のジョークの聞いた返答…!!

これを聞いた陽乃さんは重い腰を上げ、リークに協力してくれることになりました。

雪乃ママとの対面

陽乃さんが早速動いてくれたのか(こういうところはホント出来る人なんですね)、早速雪乃ママが八幡と話をしに学校にやってきました。

八幡は「釣れたっ…!!」と思って最初意気揚々としてましたが、、雪乃ママはそこまで甘くなかった。。

雪乃ママは八幡の企画がブラフであることに気付いていました…!!

凸森
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さすが、陽乃さんを育て上げたママだけある…

しかし、八幡はこの状況から必死に自分の持っているカードについて考え、最強のカード、「かつてお宅のお車に轢かれた生徒です」発動!!(生贄:高校初日から2週間入院でクラスに馴染めずにボッチ…!!)

これで、雪乃ママに雪ノ下プロム企画修正案を保護者会に持って行ってもらうことに成功しました。

陽乃さん VS 由比ヶ浜

今回の最大の見せ場がここです!

Aパートのラストで由比ヶ浜が「共依存って、なに?」と八幡に聞いてました。

八幡と別れた後、由比ヶ浜はもう一度陽乃さんのいるカフェに一人戻ったのです。

そして、由比ヶ浜は陽乃さんに問います。

由比ヶ浜「やっぱりさっきの違うと思うんです。共依存っていうの」
  ・
  ・
由比ヶ浜「何かしてあげたいって、そんなの当たり前だし、辛そうだったり、頑張ってた応援したいし、ずっと一緒にいたいから、だからそんなんじゃない…!!」

そんな由比ヶ浜に対して、陽乃さんはこう、言い放ちます。

陽乃さん「ねぇ…それは”本物”って呼べるの?」

©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完

凸森
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辛辣…!!胃が痛くなる。。

しかし、由比ヶ浜は自分の等身大の気持ちを、こう伝えます。

由比ヶ浜「そんなの…わかんない…でも…でも、共依存なんかじゃないです..!!だって、こんなに痛いから…!!」

©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完

そう言って、由比ヶ浜と陽乃さんのカフェでの会話の回想は終わります。

この時、陽乃さんは葉山と話していて、「ガハマちゃん、こんなこと言ってた」ということを葉山に伝えるために引き合いに出してました。

この話の後、葉山と陽乃さんとの会話はこう続きます。

葉山「そこから成長する想いだってあると、俺は思うよ」
陽乃「ありえない。そうだったでしょ?」
葉山「…そんなに憎んでるの?」
陽乃「いいえ…大好きよ」

ここでは雪乃のことを話しているのだと思います。

多分、陽乃さんは、由比ヶ浜同じくらい、もしくはそれ以上に、雪乃のことが好きなんだと思います。

かつて、陽乃さんも由比ヶ浜のように、いや、もしかしたら由比ヶ浜以上に雪乃のことを思っていて、助けてあげたいと行動していたのかもしれません。

でも、雪乃は陽乃さんから手の届かないところに自分の心を閉じ込めてしまった。

そういうことかもしれない、と私は思ってしまいました。

凸森
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陽乃さんの雪乃に対する複雑な心情がよく出ている、シリーズ屈指の名シーンでした。

プロム修正案の可決、終わりのはじまり

八幡と雪ノ下は奉仕部の部室でたまたま出会います。

八幡は雪ノ下にプロムの修正案が保護者会で承認が得られたことを伝えます。

この後、この勝負の勝敗について問答をします。

八幡は「雪ノ下の勝ち」と言い、雪ノ下は「あなたの勝ち」と言います。

雪ノ下は八幡に勝負の勝敗をゆだねさせます。

雪ノ下の勝ち。

勝者は敗者にお願いを1つ聞いてあげるという約束。

雪ノ下「由比ヶ浜さんの願いを叶えてあげて」

それを聞いて、八幡は奉仕部の部室を去ります。

ED前のラストのモノローグ、

雪ノ下「どうかこれが、正しい終わりでありますように」

このシーンで一番なのは、雪ノ下の以下の一言に尽きると思います。

雪ノ下「楽しかった…」

©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完

雪ノ下は今までずっと一人でいました。

そんな中で、初めて八幡や由比ヶ浜と出会い、対等に渡り合える仲間を得たこと、そして家のお付き合いで知り合ってた葉山以外の男の子である八幡と一緒に外出して胸が少しドキドキしたことを、素直に語り始めます。

まるで愛の告白のように甘美なシーンでした。

ただ、雪ノ下はこのような甘い日々との決別を望んでます。

これが、陽乃さんの言う雪乃の”依存体質”というものなんだと思います。

雪乃自身も、自分のその性格についてわかっており、完全に依存しきる前に自分から離れるという行動を今までずっととってきたのだと思います(陽乃さんに対しても..)

今回の「プロム企画できっと比企谷君は私を助けてくれる」と思ってしまったいたことが、完全にトリガーになったのです。

「もう私、これ以上この人たちと一緒にいてはいけない」

と決意させるトリガーとして。

そしてCパート、雪ノ下は由比ヶ浜を呼び寄せて二人で話します。

雪ノ下「また頼っちゃった。彼ならきっとそうするんだろうなって、わかっていて、なのに私はそれを拒めなかった…けれど、それももう終わり。全部正直に言ったの」
由比ヶ浜「多分、私がずっと好きだった、好きなままのきれいなほほえみ…それを見て私は…この関係が終わるんだって、気づいた」

“本物”だからこそ、離れていく

今回の話数は本当に切ないお話でした。
どうして、ここまでお互いのことをわかり合っている八幡・雪ノ下・由比ヶ浜の3人が、このままずっと一緒にいられないのか?
どうして離れてしまうのか?
それは、「”本物”だからこそ」なのだと思います。
陽乃さんは、「見守ってあげるのが、雪乃ちゃんのためなんじゃないかな?」と言います。
しかし、それは距離を取っているだけで、そこからどんどんは疎遠になってしまいます。
ここで言う”本物”とは、嫌われても、望まれなくても、何度だって手を差し伸べて、一度離れてしまっても、時が経ったらまたいつでも帰ってこられるような、そういう関係性のことを言うのかもしれません。

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