動画配信サービス会社のアニメとの関わり方
近年、急成長を遂げている動画配信サービス。
「自分もNETFLIXやAmazonのようなグローバル企業でアニメに関わる仕事をしたい!」
「dアニメストアでよくアニメを観るから、私もdTVで働きたい!」
というようにお考えの人も増えていると思われます。
そこで今回は動画配信サービス会社で働くにあたり、どのようにアニメと関われるのかをお話ししたいと思います。

私も今の仕事で、某動画配信サービス会社の方とお仕事をしたことがあります。その経験も交えてお話できればと思います。

お願いします!!
動画配信サービス会社のアニメに関わる仕事内容
動画配信サービス会社では、主に以下のような仕事内容があります。
営業・コンテンツ部
動画配信サービス会社にとって重要なミッションのひとつ、それは「作品コンテンツ数の充実」です。
「あの動画配信サービスよりこっちの動画配信サービスの方が作品数充実しているし、こっちに加入しよー」
上記のように視聴者に少しでも思わせてしまったら、それだけで加入者は減少していきます。
ですので、コンテンツの充実のため、営業担当はアニメコンテンツを所有している会社に営業を掛けます。
【交渉例】

御社の「xxx」と「●●●」の2タイトルをぜひウチの(動画配信)プラットフォーム上で配信したいと思っております!

ありがとうございます。では1話につきxx万円からでいかがでしょう?

ご提示ありがとうございます。ただ、以前御社の「▼▼」というタイトルは1話x〇万円で契約しております。こちらの範囲内で今回もできないでしょうか?

かしこまりました。弊社内に確認の上、回答致します。
以上のように、営業はアニメコンテンツを調達するために、アニメの権利元と交渉をします。
大体「1話につきxx万円」というようにロイヤリティ(=配信の許諾料)を払う必要があります。
動画配信サービス側の営業としては、このロイヤリティをうまく交渉して予算内の価格に持っていけるかがポイントとなります。
これでもし、交渉がうまくいって想定より低いロイヤリティで済んだなら、「その分、もう1作品違うタイトルも追加できるぞ!」ということも出来るかもしれません。

条件が固まってきたら、契約書や本編納品の時期など、実現に向けて引き続き交渉していきます。
営業・宣伝部
動画配信サービス会社は最大の使命は「自社プラットフォームの加入者を増やすこと」です。
そのためには、お客様への宣伝アピールが大事です。
- 「ウチのプラットフォームは作品数が豊富ですよ!」
- 「ジブリ劇場全作品配信開始!」
- 「この最新アニメはウチのプラットフォーム独占配信!」
上記のような宣伝・プロモーションをするために、宣伝部の営業担当は尽力します。
また、宣伝・プロモーションにはアニメの権利元から絵素材を提供してもらい、宣伝ポスターやSNSプロモーションを打つ必要があります。
その際、アニメの権利元に対して宣伝素材の監修してもらい、承認を頂く必要があります。

宣伝だけではなく、各社のプラットフォーム内にもアニメの絵素材が使われます。それにも監修が必要な場合があるので、公開前にアニメの権利元に提示する必要があります。
映像管理
映像に関わる人間すべてに共通することですが、本編映像はとてもとても大事なものです。
一昔前はBETACAM(=デジベ)やHDCAMなど、テープ納品が基本でしたが、今日はデータ納品が主流となっております。
アニメ1話のデータ量は大体20GB~30GBで、これが50話あると1TBを超えます。
ですので、データ容量が2~3TBのHDDに保存して送る「HDD納品」が通常でしたが、最近では「Aspera(アスペラ)」と呼ばれるIBM社のセキュリティの高い高速ファイル転送ソフトウェアが登場し、インターネット上で直接納品が可能になっております。

この本編の納品データを管理する人が配信サービス会社には必ず必要です。
また、映像データには必ず「納品スペック」を調整する必要があります。
動画配信サービス会社の映像管理の担当者は以下のような映像の基本知識も必要となってきます。
本編映像を発注するにあたり、以下の情報が必要です。
- フレームレート
- コンテナ(動画形式)
- 動画コーデック
- 音声コーデック
- 動画ビットレート
- 音声ビットレート


?????
なんのことやらさっぱり…


私も映像スペックについて説明できるほど知識を持っていないです。。
以下わかりやすいと思った参考サイトをいくつかご紹介しますね。
【映像・納品スペック周りまとめ】
▼フレームレートの基礎について▼
https://nvr.bz/topics/knowledge/what-framerate.php
▼フレームレート・プログレッシブ方式とインタレース方式▼
https://www.rentio.jp/matome/2017/04/i-p-fps/
▼コーデックについて▼
https://aviutl.info/ko-dekku-tigai/
https://nvr.bz/topics/knowledge/what-codec.php
▼ビットレートについて▼
https://www.nttbiz.com/solution/column/2020/03/2221/
最後に
以上のように、動画配信サービス会社のアニメに関わる仕事しては「コンテンツ営業」「宣伝営業」「映像管理」が主な内容になると思います。
ただ、近年では動画配信サービス会社が出資者としての企画段階から参加することも多く、プロデューサー的な働きをする人も多く求められております。


ですので、アニメ制作会社で働いた経験のある人でも、動画配信サービス会社に転職するチャンスは大いにあります!!


ぜひ、動画配信サービス会社へに転職、チャレンジしてみては!?
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